ひとりごと

アラサーOLが、考えたこと、見たもの、食べたものなどを淡々と綴るつまらない日記です

出生数が86万人になったと聞いて思うこと

みんな子どもを産みたがらず、少子化が止まらない。

もちろん偉い人がいろいろ原因分析をしたり対策を考えたりしているんだろうなあというのはわかっているけれど、年齢的にドンピシャ世代でいろいろリアルに感じることも多いので原因を考えてみる。 

多分この4つに集約されていくと思う。

 

世帯年収が低い(経済的理由)

②社会の仕組みや環境が不十分(環境的理由)

不妊(身体的理由)

④子どもが欲しくない(心理的理由)

 

細かく見ていきます。

 

 

世帯年収が低い(経済的理由)

もう本当に単純な話で、子どもは欲しいけれども、今の給料で子どもを産んでも教育にお金を回す余裕がない、むしろ食っていくのすら怪しいかもしれないという理由。

子育て世帯の税負担を軽くするとか、手当を増やすとか、教育無償化とか、お金さえかければ対策は色々あるのだけど、どれも不十分なのが現状。

 

 

②社会の仕組みや環境が不十分(環境的理由)

保育園の数や仕事との両立、育児に対する人々の認識ですね。私はこれが一番不安です。

自分の話ですが、①で挙げたお給料は事足りていて、なんなら子どものひとりやふたりは夫をあてにしなくても養えると思います。おそらく①が主たる原因で子どもを産めない人は②の問題も抱えていると思うけれど、②が主たる原因の人は①の問題はあまり感じていないと思う。

ただ、それは今の仕事が続けられればの話。

保育園が見つからなければ仕事に復帰できないし、フルタイム+残業の労働時間で育児との両立は体力的・時間的に不可能と言っても過言ではない。

かといって仕事を辞めれば今度は金銭的に不安を抱え、仮に子どもが大きくなって再就職しようとしても前と同じ給料の仕事には戻れないという経歴リスクを負うことになる。

 

そして、社会の仕組みが不十分な場合、大半の場合負担は妻に来るんです。妻が何かを我慢したり、奮闘したりすることで賄っていることがすごく多い。

夫が大黒柱として働き妻は専業主婦で家事育児に励むというついこの間まで機能していた家庭のモデルは、①のように世帯収入が減ったことや女性の社会進出が進んだことなどで崩壊しつつあるにも関わらず、社会の仕組みや人の意識は前時代のままなんですよね。

だから、共働きでも妻の方が家事育児を担っていることが多い。最近はインターネットの発達もあってこれはおかしいと気づく人も増えてきたけれど、そういうモデルで成り立ってきた親世代を見て育っているので、やはり今現在適齢期の男の人もおそらく半分以上は家事育児は基本的に妻の仕事、自分の仕事は稼ぐことで家庭のことは手伝う側と考えていると思います。(周りの話を聞いていると、実際半分どころかもっと多いけれど)

 

仮にどちらかが辞めるとなっても、十中八九仕事を辞めるのは妻の方です。

でも、仕事を辞めると前述の通り経歴に傷がつきますし、収入が下がります。仮に夫が不慮の事故で亡くなったら…など、仕事を辞めるというのは同時に様々なリスクを負うことでもあります。

こういう話をすると、たいてい夫の方が収入が高いから妻の方が辞めるのは当然と言う人がたまにいるのですが、世帯運営というよりもこれは個人の生き方の話だと思っています。収入を失う=生き方の選択肢は間違いなく狭まります。自分以外の収入を自分のために使うことに負い目を感じる人も多いでしょう。そういう仕事を辞めることによって生じる様々なリスクを、片方にだけ背負わせる前提の仕組みがおかしいんです。

 

あと、これで子どもを産むのはやめようとまでは思わないかもしれないけれども、最近子どもが公園で球遊びをするのを禁止していたり、運動会に騒音被害を訴える人がいたり、電車の中で泣きわめく赤ちゃんに白い目を向けたりと前と比べて育児世代の肩身が狭くなっているなあと思います。そういう環境面のハードルも結構感じる。

 

対策は色々あると思います。単純に保育士の給料を上げて保育園を増やす、法律を整備して時短勤務や再就職のハードルを下げるなど。

それでも、意識的な部分は時間が解決していくしかないのかな…。

 

私は29歳でリアルに子どもを考える年齢だけれども、今の仕事を続けられて(=経歴にリスクを負わない・元のポジションに戻れるという意味で)、家事育児も完全に折半、あるいは外注できなければ子どもを産むことはありません。仮に夫の給料が上がっても、それなら自分は辞めてもいいやとは全く思いません。

お付き合いし始めるときに相手に「料理とかしないけどいい?」と聞いていますし、結婚する前にも仕事や家事育児の話はしておくつもりです。それで納得してもらえないなら、いくら好きでも結婚しないと思います。

料理が嫌いなわけではないし逆に夫に押し付ける気もないのですが(普段は外食で休日だけ一緒に作るとかやり方は色々あると思っています)、後々仕事として求められると困るので最初からそういう意識の男性としか付き合わないようにしています。本当はそういう確認を事前にしないといけないことにまず違和感を感じるけどね。風習上そうなっているから仕方ない。

 

あと誤解なきように言っておきますが、私は別に男性が自分だけ楽をしようとしているとは全く思っていません。本来男性だけが担うことではないのですが、おそらく大半の男性が感じているであろう、自分は家族を養うために何十年も働き続けなければいけないというプレッシャーは相当なものだと思います。

ただ、時代が変わっても男性の生き方(学校を出て会社に入って、結婚した後も家庭は基本的に妻に任せて自分は出世に邁進する)は変わらず、女性の生き方が時代と男性の生き方のひずみを吸収する構造になっているとは感じています。

こうなった理由は簡単で、単純に今の社会の仕組みを作ってきたのが男性だからだと思います。男性主導で女性にも労働力になってもらおうと社会の仕組みを変えようとした結果、生じたひずみや社会のシステムの限界に気づいた女性たちが声を上げている状況ですね。

もちろん、女性が家庭を持つ以外の選択肢を得たこと自体は素晴らしいことなので、昔に逆戻りすべきだとは思いません。ただ、社会の仕組みを変えるべきタイミングになっている、というそれだけのことだと思います。

 

 

不妊(身体的理由)

日本人の体質が変わったというよりは、おそらく晩婚化が原因だと思います。

ただ、ではなぜ晩婚化するのかというと①と②に集約されていく気がします。

給料が安定するのに時間がかかるとか、女性の社会進出が進んでいる反面、制度面・環境面に不安があるとかでで結婚が遅くなり、結果として子どもを考える年齢も高くなり、妊娠しにくくなっているということじゃないかなと。

つまり、①②を解消することである程度子どもを考える年齢が下がり、不妊率(あるいはそれ以外の身体的理由)も減るような気はします。あくまで気ですが。

 

 

④子どもが欲しくない(心理的理由)

そもそも子どもが好きじゃない、育った家庭にいい思い出がないので自分もよい家庭を持てる想像ができない、自己肯定感が低く親になる自信がない等、昔から一定数いたと思われるので少子化の原因ではないかもしれませんが、結婚をしたり親になることで一人前と考えられていた時代ではなくなった(=個人主義的な社会になってきた)ということもありそう。

これに関しては意識の問題なので何とも言えないな…。

 

 

つまり、子を持つ人の金銭的負担が減り、仕事と育児の両立が容易な環境になることで少子化は解決していくんじゃないかと、月並みな結論になったけれども、やっぱりそういうことなんだと思う。

簡単なことじゃないけど、少しずつ実現していきたいね。

 

 

しかし、これを書いていて思ったんだけど、少子化って何がまずいんだろうね。

いやそりゃ単純に労働力が減れば国としての力が落ちるというのはわかるよ。

でも、一方で世界の人口は増えているのだから、日本人が減ったなら外国人を受け入れれば国は維持できるんじゃないだろうか。

日本人が減ることのデメリットってなんなのかな…文化保全?それとももっと遺伝子的で本能的な部分かな。

前に日本人の自意識の境界線はどこだろうっていうエントリ(https://yuyumix.hatenablog.com/entry/2019/11/06/104243)で疑問に思ったことと同じなのかも。

まあこういうのは減り始めると歯止めがきかないものだから、少しくらい減ったって問題ないじゃん?って考え方じゃ甘いのかもしれないね。