なんというか、雰囲気のかっこよさを楽しむ映画でした。
演出は秀逸で、ハラハラさせる展開を作ったり「カッコいい!」と思わせるのはすごくうまい。俳優も大御所ばかりだし、引き込まれる。
個人的にはいかつい元CIA工作員が年金事務局のオペレーターに電話越しで恋しちゃうところも好き。途中までかなりワクワクしてみていました。
でも、スパイものとしての脚本はお粗末ですね。
ここからネタバレ含みますのでご注意ください。
元はDCコミックらしいのでもしかしたら原作ではちゃんと語られているのかもしれませんが、なぜダニングがグアテマラで村の虐殺事件を起こし、それを副大統領のしわざに見せかける必要があったのか、なぜクーパーの上司が協力していたのか、何も分かってなくないですか?
見落としたのかなあと思って何回か要所と思しきところを見返したりしたのだけど、何度見ても分からない。
分かったのは
・1981年にグアテマラの村が皆殺しに遭った
・当時CIAで虐殺事件の後始末をしろという指示が下り、その任務にあたったCIAや真相を突き止めようとした新聞社の記者が殺された
という事実だけ。動機は謎。
それでいいのか?
MIシリーズはちゃんとこの辺りの動機が語られていることが多いので割と納得感を持って見られるのですが、これがないとただ雰囲気を楽しむ映画になってしまうのだなと実感しました。
もったいないなあ。