ひとりごと

アラサーOLが、考えたこと、見たもの、食べたものなどを淡々と綴るつまらない日記です

青の祓魔師を改めて読んだ

大学生の時に流行っていて当時アニメを見ていたんですけど、近々25巻が出るとのことで24巻までジャンプのアプリで無料公開が始まったので久しぶりに読みました。

 

というかこの漫画まだ24巻しか出ていなかったんだな。休載したりしていたのかしら。SQだったらこんなもんか。

最初からSQ連載でここまで人気が出る作品ってあまり無い気がするなあ。

 

で、最近ジャンプは無料公開多いので色々読んでるんですけど、やっぱり青の祓魔師は面白い…この作者は人間関係というか人の心の動きを描くのがうまい。

まっすぐで家族想いで少年漫画の主人公よろしく成長していく主人公、

そんな兄が眩しく、スペックでは劣らないのにひそかにコンプレックスにまみれ闇を抱く弟。

バトル漫画であり、悪魔とエクソシストの関係をはじめ世界の仕組みを明らかにする面白さもあり、家族の話でもあり…いろんな要素がうまいこと絡み合ってるのが良い。

 

そんでね!(本題)

いや~もう………柔造やばくないですか?

こんなん疲れた女みんな好きやん。

 

喧嘩っぱやい、家族(仲間)想い、子ども好き、潔い、漢気、ガタイよし、笑顔可愛いタレ目と来たら…単行本の質問コーナーで彼女が切れたことがない、ファンブックで女性にモテると書いてあってそりゃそうでしょうこんなスパダリなかなかおらんよと100回くらい頷いてしまった…。

 

ネタバレがんがんするんで読みたくない人はここで回れ右していただきたいのですが、

 

 

柔造が蝮ちゃんを娶るじゃないですか。あそこやばかったよね…。

蝮の是非については色々あると思うのですが。正直私ツンデレってめんどくせえなって思っちゃう人間だし、この子が特別好きだ~!とは思わないんですけど、

ただ、彼女は彼女なりに、仮に自分を犠牲にしても周りの家族や家族同然の明陀の人間を救いたかったのは事実だと思うんですよ。あんなもん体に入れたら失明することくらい分かっていただろうし、あるいは死んでしまってもおかしくないという覚悟もしていただろうし、仮に失敗したら追放されることも考えていたでしょう。

達磨に不信感を抱くのは当然で(むしろそうじゃないと達磨とカルラの契約も成り立たないわけで)、その不審な人間を信じ切っている父親たちが信じられなくなってもおかしくないと思います。ただ、信じられなくても愛してはいた。だから自分が救うしかないと思ったんですよね。

彼女はコミュニケーションが上手なタイプではないから、人に相談したり頼ったりってことが苦手なんですよね。私もツンデレは嫌いだけどそういうところはあるから気持ちは分かる。だから一人で突っ走ってしまったわけです。

 

はたから見れば、勝手に突っ走って結果的に敵に手を貸して迷惑をかけて、それで結婚して幸せに暮らしましたってどんだけ都合いいねんと思われても仕方ないと思います。 

でも、柔造はそんな蝮の性格を理解しているんですよ。

コミュニケーションが下手だけど、家族(仲間)を愛していて、彼らのために自分が犠牲になっても構わないと考えていることを。

表面上は喧嘩していても、幼いころから同じ運命の下で生きてきた同年代の二人にしか理解できない感情と秘めた絆が存在していたことでしょう。

恋愛感情かどうかは分かりません。でも間違いなく、それに勝るものが存在していた。100%大事な存在だったんですよね。そして、自分とは違う生態の生き物(男と女)だということも当然意識していた。

 

だから、一人で突っ走った結果身内を危険に晒したとしても、彼女を責める気にはなれなかったし、彼女が明陀の中で生きていけなくなることに耐えられなかったんだと思います。彼にとっては、多分家族や家族同然の仲間が、一緒に生きてきてこれからもそうだったはずの彼女も含めて、大切なもののすべてだったから。

 

そういう彼女の甘やかだけど確かな孤独と優しさにつけこんだ計画に結果的に加担してしまった以上、追放、あるいは残れたとしても針の筵の状況になるのは想像に難くなかったでしょう。檀家もいますし、明陀も家族ぐるみの付き合いの人間ばかりではなく一枚岩とは言えません。

 

だから、柔造は自分が彼女を救うしかないと思ったのです。

もう一度言いますが、元から100%の恋愛感情を抱いていたとは思っていません。そういう気持ちが全くなかったと言ったら嘘だけど、今更…というのもありこういうきっかけがなかったらお互い他の人と結婚して子どもを産んでいてもおかしくなかったでしょう。

でも、実際事件は起こり、この事態で本当の意味で彼女を救えるのは自分しかいないと思ったはずです。蟒は明陀の幹部だから、組織のことを考えたら娘を特別扱いできない。そして自分以上に彼女を理解している人間もいないと。

 

蝮はそういう柔造の性格につけこめるほどずるい人間ではありません。そんなずるいことを考えられる人間なら一人で身の危険を冒してまで突っ走らなかったでしょう。だから、結婚などと言い出すことは想像していなかったものと思います。おそらく、彼女が考えるより柔造は彼女のことを愛していたと思います。

 

柔造はそういう自然な流れを作るために既成事実を作った(笑)んじゃないかなと思うんですよね。まあどこまでやったのかは分からないけど(笑)無理させない程度にね。「自然な成り行き」でね。彼自身も無理はしてないと思いますが、蝮に言い訳を与えてあげたんじゃないかと思うんですよね。

 

お父さんや家族の前で「もらいますわ!」「許可て…昨日自然な成り行きやったやんか?」って言うのもいいよね…モテてきたから、女性とどうこうなってそれを周りに冷やかされたりすることに気後れとか照れがないんですよ。好き同士なんだし当たり前じゃんみたいな。それを言う顔もえっろいもん…ああいうときタレ目のイケメンてずるいと思うわな…

で、蝮といくら1対1で話しても自分は幸せになっちゃいけないとか蝮の照れが邪魔すると思ったから公然の出来事にしたわけです。手際が良すぎる。策士。

 

普段やんちゃっぽいのに、家を継ぐ長男っぽさもあり(次男だけど)、大人の色気もあり、策士なところもあり…全部乗せか??

 

しかも弟の金造が「柔兄はもっとゴイスーボディの金髪美女と結婚するんやろ!!」って、兄のポテンシャルをかたく信じてるわけですよ。柔兄くらいいい男ならもっといい女を落とせるのに!もったいない!って思ってるんですよね。お兄ちゃん大好き可愛すぎか?

 

組織長としては罰さないといけない立場だけどかわいい娘に手を出したらしき目の前の男に対して静かにブチ切れてる蟒の気配を後ろに感じて、ヤベェ俺の息子モテるのは分かってたけど蟒メッチャ切れてる…って汗ダラダラ流してる八百造さんも可愛い。多分八百造さん昔柔兄みたいな感じだったと思う。顔とか雰囲気似てるし、多分柔兄が年取って熱血なところが少し落ち着いたら八百造さんみたいになると思う。子どもいっぱいいるし。柔兄もそうだけど、お盛ん…!

蝮「ちゃん」って言うところもさ、息子の嫁感ちょっとあるしいいよね。

 

ほんで柔造、最後にちゃんと蝮に意思確認するんだよ。その意思確認の仕方もいいずるさが出ててね…

「蝮、俺は本気やで。ほんま嫌か?」って聞くのよ。蝮も普段は憎まれ口叩いてるけど、昔から一緒に育ってきて、これからも同じ道を歩むであろう同世代のこの男のことが本当に嫌なはずがないんですよ。

しかも彼はコミュ強で、コミュ障の人間って少なからずコミュ強に対して憧れがあるので、高校の時の彼も見ているし少し彼に対して憧れているところもあったでしょう。決して口にはしないでしょうが。

そんな人に「自分は本気だけど、おまえは嫌か?」って聞かれて嫌だと言えるはずがない。だから、「自分は罰を受ける身だからダメだ」って組織の人間としての一般論にすり替えたのです。自分の気持ちで嫌だって言えないから、話を立場に置き換えたんです。

それを「俺との結婚を罰と思たらええやんか」って優しく逃げ道をふさいで、組織の話に逃げるのであれば幹部でもある父親が納得すればいいんだろうと父親と話す流れを作る。 

本当に自分との結婚が彼女にとっての罰だなんて微塵も思ってません。彼女が素直に気持ちに従ってうんと言えないのを見越した上で、いろんな逃げ道を優しくふさいでいっているのです。策士!!!!!!

 

 

昔は私もね、雪ちゃんとかが好きだったよ。スペック高いのにコンプレックスまみれで闇抱えててさ、可愛いなあって。癒してあげたいなあみたいな。

でも時は経った。

 

今はもうただ癒されたい…面倒なことに関わりたくない…優しく甘やかな場所に身をゆだねたい………

そんな世の中と仕事に疲れた女にとって柔兄は理想です。

 

そりゃ竜二もさすが柔造、漢やな…って言っちゃうよ。この「さすが」ってところに普段からこういう感じなんだなあって言うのが出ててまたいいよね。

 

これはコミックスでいうと9巻の話ですが、アニメ京都不浄王篇12話が完全再現しててそれも最高でしたよ!小西さんだしね…ほんとサンキューな…

 

20巻の結婚式も大変良かったです。

酔ったおっさん親戚にキスしろ~って騒がれて、うるせえなあってサッとやるところがまた彼らしい。そして照れが隠し切れない蝮に殴られるところまでワンセット。もはや様式美。

しかも赤ちゃんまで出来ちゃってね!!!まあ普通に手早そうだけど(笑)、これでさらに周りは文句言えません。明陀を引っ張っていく家の跡継ぎ候補筆頭だし、めでたいことだから黙殺できるでしょう。

 

というわけで、柔兄を崇め称える柔蝮考察記事でした。感情が爆発したのをさらけ出せてよかった…。