ひとりごと

アラサーOLが、考えたこと、見たもの、食べたものなどを淡々と綴るつまらない日記です

女がキレイになりたいのはなんでなのか考えてみる

本能…とか言っちゃうと全く考察にならないのでちょっと考えてみます。ちなみに答えはありませんし主観入りまくっています。

 

最近本当によく有名企業のCMが炎上しますよね。

ちょっと前のルミネだったり、資生堂インテグレートだったり、まあ要はキレイになるために私たちの商品を使ってねっていう宣伝をしたいだけなんだけど、そのキレイになりたいと女性が思うきっかけを「会社の(好きでもない)男性に求められたから」と設定しているところが批判されたわけです。


これはもう本当にわかりやすい話で、制作側はどうにかして女性にキレイになりたい!と思わせるのが仕事というのがまず最初にあって、じゃあ女性たちはなぜキレイになりたいと思うんだ?とどう動機付けるか考えたときに、「やっぱり男だろ!」って思ったんだよね。


で、ルミネもインテグレートもターゲットは20代~30代前半くらいまでの女性だから、彼女たちは多くの場合会社員であると。でも、結婚しているかどうかは微妙な年齢。独身の方が多いとはいえ、既婚も十分あり得る年代です。


まだこうだったらマシだった(少なくとも炎上はしなかった)と思うのは、「どうでもいい」男ではなく、「好きな」男が、〇〇な女の子が好きだというのを知って、その女の子像に近づくために商品を買う、という構図。

これは実際にあります。好きな男に好かれたくてキレイになりたいという動機は自然です。それでもやっぱりある程度のルッキズムというか、強迫観念みたいなものを感じないでもないけれども、実際に彼女たちの内から起き上がるモチベーションという意味では間違っていないからです。そもそもルッキズムを考えていたら美容・ファッションの宣伝は難易度が上がるからね。

 

このように炎上しない設定もあったはずなのに、なぜわざわざ会社の好きでもない男という存在を動機にしようとしたかというと、まず女性はすべての男性にキレイだと思われたがっているという前提のもと、独身でも既婚でも関係なく、会社員の彼女たちに一番近い存在は会社の同僚だ!ってなったんじゃないかなと思うわけです。その結果、あのCMが誕生してしまいました。

 

まずそもそも、女性がキレイになりたいと思う動機=男でしょ!って思うこと自体が、こうであったらいいなという欲望交じりのすごく男性的な考え方なんですよね。


男性側の立場で似たような事例を考えてみるとなんとなく分かると思うのですが、

例えば自分が好きなスポーツを部活でやっていて、それをクラスの女子が見る機会があったとします。学校の校庭で他校との試合があったとでも仮定しましょう。

その試合であなたは活躍して勝ちました。

その後、偶然それを見ていたなんとも思っていないクラスの女子から、「女子にモテたくて部活やってるんでしょ」って言われたらどう思いますか?という話に似ているなと思うわけです。


もしかしたら女子にモテたくてスポーツをしているヤツもいるかもしれないし、好きな女の子に「〇〇してる人って素敵!」って言われたらやる気が出るかもしれないけれど、自分にとってはそれはあくまで副産物であって、単純に体を動かすのが好きとか、達成感が好きとかそういう理由でやっているのに、女子(ましてや好きでもなんでもない)から「(私を含めた)女のためにやってるんでしょ?」と言われたら何を思い上がっているのか、なぜ上から目線なんだと腹が立ちませんか。

あるいは、例えば部活に入らず勉強に専念していたとして、クラスのどうでもいい女子に、男ならスポーツくらいしたら?と言われたら何様なんだと思いませんか。


私のために争わないでと似た話で、男性は闘争心とかそういったもの(正確には男性じゃないので分かりませんが、女性にカッコいいと思われたい以外の理由ならなんでもいいです)からやっていることであるにも関わらず、女性的な観点でそれが理解できないので、女のために争っていると解釈される(あるいは女性はそう解釈したがっている)。

ましてやその女性的な価値観で自分がやりたくないことを強制される。

このCMが言っているのは、そういうのを男なら・女なら押し付けられて当然で、押し付けられた方が押し付けている側の価値観に沿うように努力するべきということです。

 

いかにルミネやインテグレートのCMが的外れな宣伝であるかは明らかになったと思いますが、じゃあ男のためじゃないならなんで女性はキレイになりたいと思うの?というと、これはなかなか難しい問題です。理由が分からないのではなく、説明しづらいという意味で難しい。


それはなぜかというと、需給で説明できないからです。

男性的な女性の美への価値観は、おそらく需要があるから供給しているという前提に基づいています。でも、女性の美へのこだわりは需給の外にある気がします。


しいて言うなら需要は自身の中にあるのです。

キレイになって自信をつけたいとかね。ただ、じゃあなんでキレイになると自信がつくのかと聞かれるとうまく説明がつきません。それって男に褒められるからでしょとどうしても女性の美への興味と異性をつなげようとしてくる人もいます。

でもこれも間違いです。「人に」褒められて自信がつくとしても、少なくとも「男に」褒められる必要はありません。女に褒められても同じように自信になるのです。

そして、究極的には、おそらく他人に認めてもらう必要もないのです。自分の中の美の基準を、自分で満たすことが自信になるんですね。

 

美への動機は本当に人それぞれです。

ただ、人間が「美」に弱いのは事実です。男も女もみんな美しいものが好きじゃないですか。花畑や、イルミネーションや、絵画などだいたいの人は好きですよね。それと同じで、美しい人が好きだということです。


好きなものに自分もなりたいと思うのは至極順当な考えです。

花畑になりたいと言ったらバカみたいですが(種族が違うので)、美しい人になりたいと思うのはある種当然なのではないでしょうか。女性はその欲求が男性よりも強いことが多い、ということなのかなと思います。