ひとりごと

アラサーOLが、考えたこと、見たもの、食べたものなどを淡々と綴るつまらない日記です

痴漢被害と痴漢冤罪のカンケイに思うこと

今日も今日とて痴漢被害のツイートがTwitterを駆け巡る。

 

なんかね、思うんですよね。

痴漢被害の話になると絶対に冤罪を主張する人が出てくる。
冤罪はすごく怖いことだと思います。何も瑕疵がないのに、犯人に仕立て上げられて、社会的地位を失うかもしれない恐怖というのはものすごく大きい。
映画にもなって「こういう可能性があるのか」と知ってなおさら恐怖しているかもしれない。
痴漢冤罪という犯罪は絶対に無くすべきだと思っています。
 
 
その一方で、痴漢って女性ならきっと殆どの人が経験あると思う。少なくとも私の周りには痴漢被害に合ったことがある女性が自分含めて大勢いる。
 
私も覚えているだけでも4回はある。
小学生の時に友達と遊んでいたら、突然コートを着た大人の男性が近づいてきて陰部を見せられたこと。
中学生の夏休みに部活へ行く道をひとりで歩いていたら、向かい側から自転車に乗ってきた人にすれ違いざまに胸を触られたこと。
高校生の時、駅から自宅への帰り道を歩いていた時、イヤホンで音楽を聴いていたら知らない間に後ろにつけられていて、スカートの中に手を入れられたこと。
大学生の時、同じく駅から自宅への帰路で、突然後ろからぬっとあらわれた人に「さっき駅で見かけて好きになっちゃったんです」と言われながらお尻を触られて、拒絶してもついてきて触られ続けたこと。
 
自分は電車の中では明らかな痴漢被害には遭っていないんですが(変な人にごめんね~ごめんね~と言われながら足を踏まれたり太ももを触られてなぜかこちらが突然キレられたことはあります)、そこはもう人それぞれです。電車で下着の中にまで手を入れられた友達は2人います。
 
特に大学生の時の被害は、もっと酷い被害になってもおかしくなかったと今でも思います。
言い合いをしている時に、偶然車が一台来て信号で止まったので、警察に連絡してもらいますと言って怯んだ瞬間に近くのコンビニまでダッシュして、母親に車で迎えに来てもらいました。
ちなみに、車に乗っている人が助けてくれそうな気配は全くありませんでした。
あれ以来、人気のない夜道を歩くときは10秒ごとくらいに後ろを振り返ってしまいます。
その時着ていた服(触られた服)は全部捨てました。
 
でも、少なくとも私は、全部警察には言っていません。
本当は言うべきだったのかもしれないけど、まだ幼かったし、自分が犯罪に遭ったという認識も薄かった。
そして社会の仕組みというのはうまくできていて、あれは痴漢だ!犯罪だ!と認識して次は絶対に捕まえてやろうと思っていると、そのころにはすでに痴漢されない年齢になっているんです。やる方も20代後半の女にやるのはリスクが高いと分かっているんです。
 
こうして痴漢被害は数に現れず、女は大げさに言うけど、実際はそんなに被害受けてないんでしょ?って考えられてしまうんですね。
 
 
そして、この論争を見ていてすごく感じること。
それは、痴漢被害よりも冤罪の方が重いと思われているであろうこと。
かみ砕くと、性被害にあっても別に社会的には何も傷つかないけれど、性犯罪の冤罪は職を失ったりしてまともに生きていけなくなるのだから、冤罪の方が被害が重いと考えられていること。
 
だから実際に痴漢で傷ついている人がいても、その上で冤罪の話をする人がたくさん出てくるんだと思います。
冤罪になるとまずいから、性被害そのものを軽く扱おうとするんです。
 
でも、痴漢被害よりも冤罪の方が重いなんて誰が決めたのでしょうか。
そもそも、冤罪被害によって社会的にダメージを負うとしたら、痴漢行為はそういう重い報いを受けるべき行為だということで、重さに優劣はつけられません。
 
そして、冤罪被害を訴える人は、痴漢冤罪は痴漢被害がなければ成立しないということが頭からすっぽり抜けていると思うのです。
痴漢冤罪をなくしたいなら、痴漢被害をまずなくすべきなんです。痴漢被害に遭わない環境が作られられれば、おのずと痴漢冤罪にも遭わない環境になっているはずです。
それを、痴漢被害が嘘だ、大げさだ、それを利用する女性犯罪者が出てきたらどうするんだと圧殺することで冤罪をなくそうとするのが手法として間違っているんです。
そうして作られた女性専用車両男性差別だと言っているのを聞くと嘆息します。女性が痴漢被害に遭わないようになることが、男性が痴漢冤罪から解放されることになることがなぜ分からないんだろうかといつも思います。
 
 
 
そもそも、考えてみてほしい。
どこかの知らない女性が被害に遭っていると思うから問題を軽く感じるんじゃないでしょうか。
 
自分の娘が被害に遭ったと想像したらどうでしょう。
さいころから大切に育ててきた娘が、どこぞの無法者に勝手に身体をまさぐられ心に傷を負っていても、冤罪なんじゃないか?大げさに言っているんじゃないか?と想像でものを言う心無い大人に対して、そう考えるのは仕方ないと思いますか。
その娘が、自分よりも圧倒的に物理的に力が強い加害者たる大人の男性に対抗するために、はんこメーカーが出した痴漢防止グッズを持つと決めたとして、そのグッズを冤罪被害につながる危険性があるグッズだと主張する人を正しいと思いますか。
 
私は、仮に夫が冤罪の可能性を負うとしても、痴漢被害そのものを圧殺しようとは思いません。痴漢被害を減らして、冤罪被害も無くしてもらいたいと思います。
 
 
こういうことを真剣に話すと、今はまたフェミニストが大げさに主張してるよと思われがちなのも嫌だなと思います。
私は大してフェミニストというわけでもないんですが、性犯罪に遭いたくないというのは人間としての最低限の尊厳を守ることで、女性とか男性とか関係ないと思うんですよね。
 
私は、自分が痴漢被害に遭うことは年齢的におそらくもうないと思いますが、仮に自分に娘ができたとして、娘を犯す犯人を絶対に許せないと思うので、ずっと言います。
 
痴漢被害は、冤罪におびえる男性にとっても、当事者たる女性にとっても、社会問題としてもっと認知され対策されるべき問題だと思います。