ひとりごと

アラサーOLが、考えたこと、見たもの、食べたものなどを淡々と綴るつまらない日記です

アイドルに人権ってないのかな

アイドルってなんなんだろう。

 

嵐の二宮くんが結婚したことで、Twitterはそれはそれはすごいことになってる。

トレンドが彼の結婚の話題で埋め尽くされてる。

 

トレンドから辿って見た主な発言は下記の通り。

1、好きな人が誰か特定の人のものになったという事実が悲しい

2、アイドルなのだから、恋愛・結婚の話題は時期をわきまえるべき(=活動休止時期が決まっているのだから、それ以降にしてくれればまだ「結婚している状態の二宮くん」を目の当たりにせずに済んだ)

3、好きな芸能人の幸せはファンとして祝わないと、という気持ちはありつつ、相手が気に入らないので受け入れられない

 

もちろんこれ以外の意見もあるけど、9割がたこの3つのどれかに落ち着く。

1は、まあ仕方ない。感情はコントロールできるものでもないし、ただの主観。

学校で好きな人に彼氏・彼女が出来てたみたいな話で、誰にでも多かれ少なかれ覚えがあると思う。

 

人のゆがみを感じたのは、2と3。

 

2の怖さは言わずもがな、「アイドルはこうあるべき」を平然と押し付けてるところ。

アイドルは疑似恋愛を楽しませる商売だから?

創立者たるジャニーさんがそういうスタンスでジャニーズを立ち上げているから?

色々とそれらしい理由付けは出来ると思うんだけど、やってることはお客様は神様だって主張する客と一緒だよね。

この論に対しては「お客様が神様かどうか判断するのは店側」っていう結論が出ていると思うんだけど、アイドルに関しては脈々とこの歪んだ認知が生き続けているんだなって思った。

しかもその「べき」って、特定のパートナーを作り愛するっていう人間の普遍的な営みを否定することで、人権侵害と言ってもいいレベルの行いだと思うんだけれども、歪んだ認知を歪んでいると認識していない人の多さを目の当たりにした。

 

3の怖さは、2と一部通ずるところもあるんだけど、それに加えてギロチンを楽しむ観衆は永遠に存在し続けるんだなということ。

2と通ずる部分は、「アイドルのパートナーはこうあるべき」だよね。二宮くんのお相手の気に入らないところはほぼ全会一致で「匂わせる」ことにあると思うんだけど、「アイドルのパートナーは主張せず、影に徹するべき」という誰が決めたのか分からないべき論を平然と語り、それにそぐわないと判断すると誹謗中傷するところ。(しかも彼女は、元芸能人とはいえ現状は一般人であって、アイドル本人ですらない)

 

ギロチンがその昔市民の娯楽だったことは周知の事実だけれども、こうあるべきを守れないパートナーはふさわしくない、とよってたかって石を投げる行為はこれに近い。

ひとりひとりは単純にむかつくとかそういうレベルの感情かもしれないけど、束になってそれを主張しはじめると、個人の意思の膨張で罪悪感のない石投げが起こる。

SNSの発達で、「この人間には石を投げていいぞ!」と無意識にでも認識するとみんな本当に石を投げるんだ、というのが顕著に見えるようになって、ギロチン娯楽説が腑に落ちた。

 

つまり、昨今女性やLGBTといった旧来の社会的弱者の人権が叫ばれる世の中だけれど、こと芸能人とその関係者に関しては人権が無いに等しい。

 

それでも大きく問題にならないのは、結局芸能人が大衆向けの人気商売であること(一定数の常連客がいれば営業し続けられる飲食店とちがって、万人に好かれないと食えないイメージ重視の職業であること)、本人が選択して芸能人になっていること、被害者が少ないことの三つの理由があるんだろうな。

 

それはともすると人権侵害ですよと指摘しても、「じゃあならなきゃいいじゃん」(⇒いじめられる側にも非がある理論と一緒)とか、「(侵害できないなら)ファンをやめるだけ」とかが通じてしまって、問題の本質を考えない。「その分稼いでるんだから仕方ない(有名税)」みたいな論点ずらしもたぶん出てくる。

そもそも被害に遭う人が少なく、声がかき消される。被害を声高に口にすると、人気に影響が出て本末転倒になる。(芸能人だからこそ被害に遭うのに、被害を主張すると芸能人として活動できなくなる)

 

こういう人間の加虐的性質、残虐性って多分生来のものなのだろうな。

どんな時代に生きていても、一定数存在し続けるものなんだと思う。

時代によって、その矛先がどこに行くのかが異なるだけ。

そして、何かしらの理由によっていつも正当化されるんだと思う。

 

人の悪癖を見たアイドルの結婚でした。