いま、アメリカでデモ(ところによっては暴動)が起きています。
昔から度々起こる、白人警察官が黒人容疑者を不当に死なせる事件が多発していることが発端です。
アメリカは人種のるつぼといいますが、私が知る限り最も差別意識の高い国です。
おそらく最もいろいろな人種の人が暮らしているであろうニューヨークは、居住区や職業が人種によってかなり明確に分かれている印象でしたし、アジア人差別のような態度を取られたことも1度や2度ではありません。
差別意識が高いからこそ、不当に「下」に置かれた人間も多く、MeToo運動や黒人解放運動のようなムーヴメントが起こるのだと思います。
もちろん、差別はなくなって欲しいと思います。性別、セクシュアリティ、人種、そう言ったもので不当に評価されるのはあってはならないことです。そういう差別意識のある人間を軽蔑します。
ただ、じゃあ本当に差別がなくなる世界が来ると思っているかというと………
どうだろう。
外国で私に対して差別的態度をとったのは、白人もいますがヒスパニックや黒人が多いです。
もちろん、全員とは言いません。親切で陽気な人もたくさんいました。
でも、そういう人もいる、これが事実です。
普段差別されている人も、差別するのです。
不当に「下」に置かれたことに怒りを覚えているはずなのに、自分よりも「下」を作ろうとする。
結局、自分が憎んでいる人間と同じことをしている。
差別や誹謗中傷は、人間の悪性で、無くしようのないものに思えて仕方がありません。
だからといって放置していいわけじゃなくて、差別のない社会にしていくことは必要だと思う。
制度的に、法律的に、差別がまかり通ることのない世の中になるべきだと思う。
それでも、そうしたら人の心から差別意識が消えるのだろうかというと、そんなことはないんだろうな、人は心のどこかで差別しないと生きていけない生き物なのだろうなと思うのです。