アラサーになってくると、結婚とか子どもとかがリアルな話になってきて、家買う人も多いんですよね。
周りでも買ってる人を知っているのですが、親しい人には「20年とか30年ローンを組むのはやめたほうがいいんじゃない」と買う前に軽く言っています。
私なら絶対にそんなローン負わないもん。
10年以内ならまだ現実的かなあと思うのですが、家賃が1人なら9万円、2人で15万円が都心では妥当なラインだとして、単純計算で15万円×12ヶ月×10年=1,800万円。
2千万で買える家は都心にはもちろん無い。郊外のファミリー向けマンションで4千万程度でしょうから、金利などを無視しても最低でも20年はかかる。だからやっぱり今は賃貸しかないかなあと思う。
20〜30年のローンを組む人は、いかに金利の安い住宅ローンといえど、借金だということをわかってるのかな?って思う。
自分が経営企画の仕事をしているからかもしれませんが、一番重いのは常に固定費なんです。その中でも、どうにもできなくなるのが償却費です。時流に乗って機械をバンバン買って生産していたけど売上が落ち込んで固定費を吸収出来なくなったなんていうのはよくある話。人件費は最悪人を切れば削れますが、一度使った機械は二度と同じ値段では売れませんし、固定資産税もかかるし、償却費の耐用年数を完走して0円もしくは1円資産として使い続けられない限り常に収支はマイナスなんですよ。
これ、住宅ローンにも全く同じことが言えます。
すなわち、売上が収入で償却費がローンです。ある企業、それも大企業でもなく様々な業界の中小企業(色々な業界で働く個人のことです)の売上が、30年後も同じもしくは上がっているって無邪気に信じられますか?っていう話なんです。
日本の景気状態はみなさん実感としてご存知でしょうからみなまで言いませんが、決して楽観視できない状態なのは間違いありません。
今勤めている会社が20年後に存在しているか、自分が日本に住んでいるかどうかすら分かりません。
ただでさえ病気や親の介護費用など個人のリスクがあるのに、今は経済環境のリスクも高いのです。
そういう中で、今一度20〜30年のローンを組むのは現実的な選択ですかと問いたい。
家を買う人は、
親もそうしていたから、
老後に住む家が欲しいから、
家賃がもったいないから、
不動産投資だ、と言いますが、
まず親と同じ生き方で生きていけるという発想が間違っている。今は時代の変換点で、グローバル社会になり、男女平等社会になり、IT社会になり、今までのありとあらゆる常識が通用しなくなっています。30年前の時代に生きている親と同じ生き方が出来ないのは当然のことです。
老後に住む家や家賃がもったいないに関しては、おそらく収入がなくなるから最悪生活できる場所があればなんとかなるし、どうせ払うなら家賃もローンも一緒という意味だと思いますが、老後も本当にその場所に住んでいるのか、日本に住んでいると断言できるのかもう一度考えて欲しい。
都内のマンションは、当たり前ですが家賃もローンも高いです。そういう場所は物価も高く、静かな環境でもないでしょう。便利かもしれませんが、老後にそういう場所に住み続けるのでしょうか。
それに、グローバル社会ですから今までは特別だった「海外で働く」こともどんどん身近になってきます。望む望まざるに関わらず、インドとか中国で働く人が今よりもずっと増えるのは確かです。特に、都内にマンションを買えるような仕事をしている人はそういう可能性が高い。
海外に住むようになったら、東京にあるマンションはどうするのでしょう。貸しに出せばいいと言う人がいるかもしれませんが(いわゆる不動産投資)、常に借り手がつくとは限りません。その間、会社が負担してくれるのでなければ二重家賃になります。
こういうリスクを考えていくと、数十年ローンを組んで家を買うことが非現実的なことが分かると思います。メリットに対してリスクが大きすぎるのです。ハイリスクローリターンなんです。
そんなわけで、家を買うことに関しての所感でした。