ひとりごと

アラサーOLが、考えたこと、見たもの、食べたものなどを淡々と綴るつまらない日記です

すべての人生は十代で終わってしまうんだと僕は思う

何年経っても自分の中に染みて残っている言葉っていくつかあって、ふと思い出したので書き留めておきたいと思います。

 

もうかなり前になりますが、私が大学生の時に色即ぜねれいしょんという映画が公開されました。

みうらじゅん原作の青春小説で、確か中学生くらいの時に最初に読んだと思います。私はその小説が割と好きだったので、映画になると聞いて見に行ったのです。

 

その映画のパンフレットだったか、チラシだったか、ホームページだったか忘れてしまったのですが、コピーライターの箭内道彦さんが宣伝コピーを書いていて、それがずっと印象に残っています。

 

すべての人生は十代で終わってしまうんだと僕は思う。それぞれにあの頃の自分を肯定したり否定したり、その後の長い長いアンコールを生きてゆく。

 

ちょうどこの言葉を前にした頃の私は、10代を終えようとしていて、煌めいていた高校生活と大学の生活との差に漠然とした不安のようなものを抱いていました。

これでいいんだろうか、自分がいる道は合っているのか、20代って何が起こるのだろうと。

 

でもこのコピーに出会って、ストンと腹落ちしたんですよね。

そっか、みんなそうなんだと。

こう感じていることはおかしなことじゃなくて、そういう風に生きるものなのだと。

 

このコピーが完璧すぎて、これ以外にこの気持ちを語る言葉はないのですが、こういうコピーを生み出せる人は天才だと思います。この方のお仕事を他に知りませんが。

 

 

ちなみに私が天才だと思ってる言葉の達人はもう1人いて、小説家の村上龍さんです。

私はこの人が書いた「69」という小説を高校生の時に読んで、それ以来ずっとすべての本の中でこの本が一番好きです。

 

大好きなフレーズはたくさんあるのですが、中でもこのフレーズが一番好きです。

 

「アダマは忠実だ。僕に忠実なのではない。アダマは信じている。僕を信じているのではない。アダマは、1960年代の終わりに充ちていたある何かを信じていて、その何かに忠実だったのである。その何かを説明するのは難しい。 その何かは僕たちを自由にする。単一の価値観に縛られることから僕たちを自由にするのだ。」

 

この、なんていうのかな、内容はもちろんなのだけど、言葉の選び方の全てがいいなと思う。

多分私の心にはずっとこのフレーズがあって、それをどこかで意識して生きてきたような気がします。

 

ちなみにヒロインの松井和子が大人になって主人公に手紙を送ってくるのだけど、そこにサイモン&ガーファンクルの曲名Still crazy after all these yearsが引用されているのも最高でした。

 

たぶん、彼らも、私もみんな、10代の人生のアンコールを生きているんだと思います。